BHO(ブラウザ・ヘルパー・オブジェクト)について


ブラウザ・ヘルパー・オブジェクト(BHO)に関する簡単な説明です。

BHO(Browser Helper Object)はインターネットを開始したときに毎回自動的に起動される小さなプログラムです。通常、BHOは他のソフトウェアによってシステムにインス トールされます。BHOは一般的にはインターネットブラウズを支援するためのプログラムとされますが、技術論的には『あらゆるもの』と解釈されています。

BHOの中にはAdwareやSpywareと呼ばれるようなものもあります。これら悪意あるソフトは訪問したWebサイトを監視したりし、このデータを これらプログラムの作成者や配布者に報告したり、あるいはポップアップ広告を表示したりします。
また、BHOの中にはユーザの認識なしにシステム中に置かれる物もあれば、ユーザのインターネットブラウズの情報を送信することがプログラムされていない 物。すなわち、技術的にBHOとして存在理由の無いものもあります。
こういったことから、一般的にはBHOは悪者扱いされる場合が多いようです。そして、その最大の理由が「個人情報の流出」ということのようです。
しかし、BHOは良い振る舞いをするものが大部分ですし、大変便利なものでもあります。たとえば、P3P(Platform for Privacy Preferences Project)はW3Cによって勧告されMicrosoftやIBM等の大手ベンダーによって支持されています。

    【補足】P3P(Platform for Privacy Preferences Project)
    インターネット上で、Webサイトの運営者とサイトの訪問者の間で個人情報を やり取りするための技術仕様。

メディアを含め多くのWebサイトで「BHOはブラウザを制御する」と表現されています。これは不完全な情報ですが、重大な意味も持っています。
BHOがユーザのシステム上で実行できることに制限はありません。システム上のファイルを読み込む、書き込む、削除する。PCを再起動する。E-Mail を送信する。個人情報を読み出す。様々なことが実行可能です。
このような機能を実現するには、通常ユーザはベンダーを信用し、明示的に何らかのアプリケーションをインストールしています(たとえば、メールの送信のた めに、信用できる会社のメールクライアントソフトをインストールしています)。しかし、BHOはユーザの認識なしにインストールされてきた歴史を有しま す。(使用許諾書に印字されていたとしても読まない場合が通例なので・・・)

結局、BHOは
  • ・ ユーザのシステムに対してあらゆることが実行できる物であり
  • ・ ユーザの認識なしにインストールされるものである

この特徴から、BHOをインストールした者は誰なのか?
それぞれのBHOが実行することは何か?
という二点をしっかり抑えてBHOに接していくことが重要なようです。