§1.概要
コンピュータのスローダウンの要因に関しては、一般的に以下の三点に絞られる。
- ・ マルウェア(ウィルス・スパイウェア等の悪意あるソフトウェア)によるもの
- ・ 停止することを試みていないため起動するアプリケーションによるもの
- ・ メンテナンス不良(メンテナンスを行っていないことを含む)によるもの
なお、以下に記すことを実行する前に、必ずERUNT等によるレジストリのバックアップとシステムの復元で復元ポイントを作成しておくこと。
ここでは、Step 1〜7までを示しているが、PCの状況に併せ適宜スキップもしくは操作を追加されたい。
§2.マルウェア
PCがスローダウンする最大の原因は大方のところマルウェアに起因する。この原因は一般的にスパイウェアを含むアプリケーションをダウンロードしたことに
関連付けられるが、その要因は以下によることが多い。
- ・ ブラウザに確固としたセキュリティ設定を行っていない場合
- ・ 安易にP2Pファイルをダウンロードした場合
- ・ その時々でセキュリティパッチをインストールすることを怠っていた場合
2-1. Step 1
アンチウィルス関係。今日の状況でアンチウィルスソフトをインストールせずにインターネットに接続することは論外とする。
- ・ アンチウィルスソフトのプログラムが最新か確認し、そうでなければ最新のものにアップグレードする。
- ・ アンチウィルスソフトの定義ファイルをアップデートし最新の状態にする。
- ・ PCをセーフモードで起動しハードドライブを完全スキャンする。
- ・ スキャンによって発見された問題を解決(隔離・駆除)する。
ある種のウィルスには削除する前に特段のステップを踏まなければ駆除できないものがある。このようなマルウェアについてはオンラインで検索することで殆ど
の場合解決策が見出せる。また、アンチウィルスメーカーサイト(使用しているメーカーでなくても差し支えない)に専用駆除ツールが提供されている場合があ
るので、それを利用する。
このような情報は、英文情報のほうが多いので翻訳ソフト等を駆使して解読する。
2-2. Step 2
順調に稼動していたPCが突然スローダウンした場合で、最近ダウンロード/インストールしたアプリケーションがあれば、ダウンロードしたアプリケーション
に原因があるかもしれない。この場合は以下を考慮する。
- ・ コントロールパネルの追加と削除から、該当するアプリケーションを完全に削除する。アプリケーションの中には付属のアンイン
ストーラを使用しないとトラブルを発生するものがあるので注意する。
- ・ アプリケーション削除後、ERUNTのようなレジストリのバックアップ・復元ソフトを利用しレジストリの復元も考慮する。
- ・ ソフトウェアのダウンロードにあたってはダウンロードする前に検索を行い、そのアプリケーションについての情報を入手する。
- ・ 情報の収集に当たり、そのアプリケーションにユーザレビューやサイト編集者の評価がある場合は、パフォーマンスが低い等の欠
点に留意して熟読する。日本のダウンロードサイトにはユーザレビューが乏しい。
- ・ スパイウェアやアドウェア等を含んでいないアプリケーションのみをアップしているとするダウンロードサイトで、信頼が置ける
とされる外国のダウンロードサイトは以下である。これらはユーザレビューも豊富にある。
Download.com
FileHippo
Softdll
SoftPedia
2-3. Step 3
アドウェアやスパイウェアは侵入したコンピュータのパフォーマンスに深刻な影響を与える。これらマルウェアはインターネット上のいたるところに転がってい
る。最近の研究によれば、Webサイト上の実行ファイル(*.EXE、に代表される)の20に1つはスパイウェアであり、25のドメインに1つは少なくと
も1つのスパイウェアを含んで生贄の訪問を待っているとされる。
- ・ 使用しているアンチスパイウェアの定義ファイルを最新にし、プログラムが最新か否か確認し、そうでなければプログラムも最新
にし、セーフモードで完全スキャンを行う。
- ・ 複数のアンチスパイウェアでスキャンを行う。これは、各アンチウィルスベンダで、スパイウェアと判断する定義要件が異なるた
め、各ソフトの検出はその定義要件に基づいて行われることがその理由である。主なアンチスパイウェア等は以下。
Adaware SE Personal
a-squared Free
AVG-AntiSpyware(旧名、ewido)
Microsoft Defender(日本語版最終バージョンは、2006年中にリリースの見込み)
Spybot Search & Destroy
- ・ しかるべきサイトがマルウェアの概要や、一般的駆除方法、防御方法を記しているのでそれを熟読する。
PCのスローダウンがウィルスやスパイウェアの影響である場合は、アンチウィルスソフトでのスキャンの後、少なくとも以下に記すことは行うようにする。
- ・ スタート>すべてのプログラム>アクセサリ>システムツールから、ディスククリーンアップを起動。以下の三つにチェック
を付け削除する。
# Temporary Internet Files
# ゴミ箱
# 一時ファイル
- ・ Ad-Awareを実行。発見されたものは全て隔離/削除。
- ・ Spybot Search & Destroyを実行。発見されたものは全て隔離/削除。
- ・ McAfee Stingerを実行。発見されたものは全て隔離/削除。
§3.停止することを試みていないため起動するアプリケーショ
ン
3-1. Step 4
スタートアップの自動起動アプリケーションを閲覧する。この項では、この点が取り扱いの中心となる。たとえば、幾多のプログラムは素早く起動させるために
クイックランチの機能をインストールする。また、あるプログラムは自動アップデート機能を持ち、この機能はバックグラウンドで稼動する。これらのプログラ
ムはWindowsの起動をスローダウンする。そして、これらのプログラムはコンピュータが起動している間、僅かずつではあるがリソースを要求する。これ
らのプログラムを閲覧し、そしてスタートアップを管理するより容易な方法は、多くの小さなユーティリティの適当なものを利用することである。例えば、
Spybot Search and Destroyを持っていたとすると、スタートアップ
プログラムをリストしあらゆる不必要なプログラムを無効にすることのできる、そのスタートアップツールを使用することである。
もしも、安全に削除することに不安があるのなら、疑問に思うアイテムが必要なものか否か確認するため包括的スタートアップデータベース
(ShareEdge等)を検索するか、必要な情報を添えて質問掲示板(OKwave等)を訪れることである。
同時に、デスクトップ上のアイコンは全て、それらを必要な位置に設定するため、それぞれがブートタイムを少しずつ引き伸ばすことを思い出しておいて欲し
い。
§4.メンテナンス上の問題
4-1. Step 5
ハードドライブ上の不要なファイルを一掃する。これは”Step 7”への準備である。
- ・ 使用していないプログラムは削除する。
- ・ 古いファイルはCDに焼いた後、削除する。
- ・ 削除すべきファイルの一例を以下に掲げる
# 遊ばなくなったゲームソフト
# 多くの家族の写真や収集した画像等はCDに焼いた上で削除
# 解凍済みの圧縮ファイル(*.ZIP, *.LZH 等)
# 二年間使用していないアプリケーション
# 廃棄したプリンタ等の添付アプリケーション
- ・ Windowsのディスク クリーンアップ
ユーティリティを使用しインターネット一時ファイルやシステムファイルの一時保護ファイル等を削除する。
- ・ 熟達したユーザはレジストリのクリーンアップも行う。
- ・ たいていの場合、レジストリ操作では重要な問題を発生させることは無いが、不用意な操作を行うとWindowsを傷つけ、
Windowsが起動しないという重大な問題も引き起こす。必ず、ERUNTのようなユーティリティを使用しレジストリのバックアップを取ってから実行す
る。
また、一般的にレジストリのクリーンアップでパフォーマンスが大きく改善されることはない。
4-2. Step 6
セーフモードでスキャンディスク(もしくはチェックディスク)を実行する。この操作は発見された何らかの問題(ハードディスクに保存されているファイルに
関する情報の誤りや、データ自体の損壊)を修復する。
4-3. Step 7
デフラグを実行する。Windowsは新しく作成されたファイルを利用可能なオープンスペースに見境無く撒き散らす。デフラグはハードドライブ上の隣接す
るセグメントに関連するファイルを配置することで、ハードドライブのリードアームがセグメントを求めて右往左往しなくて済むようにする。プログラムをス
ピードアップすることで時間の浪費を防止する。
楽観的には、これらの操作が終了すればコンピュータパフォーマンスは改善されているはずである。しかし、未だスローダウンが改善されていないのであれば、
エキスパートの指示を仰ぐ必要があるので、然るべきサイトを訪問されることをお勧めする。